細菌の増殖を抑える「抗菌」のメカニズムや基礎知識を解説

世の中は抗菌製品で溢れていますが、みなさんは、「抗菌」がどういったものか、どのような役割を果たすものなのか、ご存知でしょうか?
抗菌は、細菌の増殖を抑えることをいい、殺菌や除菌とは異なります。
日本では抗菌の基準は厳格に求められないものの、長谷川化学工業の製品においては、抗菌性に着目し、高い抗菌性を誇る製品を提供しています。

今回は、抗菌とはどういったものなのか、メカニズムや基礎知識について簡単に紹介します。
記事の後半では、長谷川化学工業がなぜ抗菌性の高い製品を謳うことができるのか、その理由についてもお話しします。

抗菌とは?

抗菌とは、製品の表面上における細菌の増殖を抑制することを言います。菌を殺したり除去したりする、殺菌・除菌とは異なります。

一般的には、イオナイズドシルバー(銀イオン)という、非常に小さくて細かい抗菌剤が、製品の表面・内部に分散していて、それが菌と接触していると菌が不活性化する、というものです。
抗菌剤の種類には多くのものがありますが、銀イオンが最も広く用いられています。銀がイオン化している状態とは、銀の分子がプラスまたはマイナスに電離していることで、常に他から電子を奪って電子的に安定しようとします。

一方、一般的な雑菌は、主にアミノ酸を主体に構成されていて、同じように電子をもつ分子構造になっています。このアミノ酸が銀イオンに接触すると電子を奪われてしまい、不活性な状態となって増殖できなくなります。
これが抗菌作用の仕組みです。

長谷川化学工業の製品でいうと、例えば、まな板はポリエチレンというプラスチックの樹脂でできていますが、その中には着色剤、安定剤、抗菌剤というものが混ぜられています。
抗菌剤はまな板全体に分散していますが、これらが菌と接触することで、菌が不活性化するわけです。

抗菌剤は、菌を不活性化するだけで、殺すわけではありません。従って、殺虫剤のような毒性物質とは全く異なります。
毒性物質は体内に入るともちろん危険ですが、抗菌剤は毒ではないので、万が一体内に入っても危険はありません

抗菌の効果

日本の場合、抗菌というのは事実上、メーカーや販売業者が自由に謳うたうことができてしまいます。日本では抗菌の基準は厳格に求められないものの、JIS規格で定められています。
従って、抗菌効果がほとんどない製品でも、抗菌と謳うことができてしまう状況にあります。

抗菌性能に明らかな問題があれば、国から回収命令が出されることも考えられますが、抗菌性能はユーザーの使い方にも大きく影響するので、事実上規制の強化が難しいと思われます。
これは推測ですが、抗菌効果の不足によって犠牲者が出るなどの大きな社会問題になっていない、ということが根底にあると思います。
大きな社会問題となれば、基準の厳格な運用が図られるでしょう。

海外では国に寄りますが、例えば米国は非常に厳格です。
FDA(米国食品医薬品局)により抗菌性の試験が行われ、正式な認証を得なくては抗菌と謳うことができません。正確には分かりませんが、EUや中国でもほぼ同様の運用が行われていると聞いています。

一方、日本には抗菌に対する厳格な運用規制はないものの、「SIAAマーク」という業界自主団体による認証制度があります。
「Society of International sustaining growth for Antimicrobial Articles(抗菌製品技術協議会)」の略称で、消費者が納得できる「安心と信頼のシンボル」としてSIAAが定めるガイドラインを満たした、抗菌加工製品・抗菌剤に対して、この認証マークを表示することができます。

長谷川化学工業のまな板は、このSIAAマークを取得しています。抗菌製品をお求めの際は、ぜひともこのSIAAマークの有無を確認されることをお勧めします。

抗菌の弱点

では、抗菌仕様だから安全かというとそう単純なものではありません。上記のように、抗菌表示規制が厳格でないこともありますが、抗菌作用が働く仕組みの上での不都合もあります。

抗菌は上記で説明した通り、抗菌剤と雑菌の電子交換によって作用します。電子の移動ですから、両者が直接接触しなければ電子の移動が起こりません。近づいただけでは何も起こらないのです。
つまりいくら抗菌仕様の製品でも、汚れや油分などが両者の間に介在していては抗菌が働かないのです。

まな板で言うと、表面がキレイになっていないと抗菌効果が落ちてしまいます。そのため、まな板はしっかりと洗い、きれいな状態を保つということが大切になってきます
抗菌まな板だからといって神経質に洗わなくていい、ということではないのです。

また抗菌剤は、一般的に銀イオンが用いられていますが、銀ですので非常に高価です。プラスチック製品における抗菌効果は投入される銀イオンの量(密度)に比例します。
即ち抗菌効果の高い製品は必然的に価格も高くなります。抗菌と謳っているのにやけに安い製品は、一度抗菌性を疑ってみるのも必要かもしれません。

長谷川化学工業のまな板の抗菌性が高い理由

長谷川化学工業のまな板がなぜ抗菌性に優れているのか、簡単に解説します。

抗菌効果は前述の通り、抗菌剤の含有量、厳密にいうと密度に比例します。密度が高い方が、それだけ菌と接触する確率が高くなるからです。
まな板は一般的に厚く大きいプラスチックの塊ですから、抗菌効果を上げるにはそれ相応の量の抗菌剤を入れなくては密度が上がらず、十分な抗菌効果が出せません。

長谷川化学工業のまな板は、木芯構造なので、厚さ20mmであっても、木芯の厚みが10mmあります。その木芯を厚さ5mmの表面材がサンドイッチしています。
つまり表と裏に5mmの表面材があって、真中の木芯が10mmという構造です。木芯に抗菌剤は不要ですから、表面の樹脂層のみに抗菌剤が入っています。

つまり、同じ量の抗菌剤を投入すると、一般的な厚さ20mmのまな板に比べると、長谷川化学工業の木芯まな板の抗菌剤密度は2倍になります。構造上、抗菌が必要な部分に抗菌剤が集中するイメージになるので、抗菌効果を高いと言える訳です。

まとめ

抗菌と書かれているとなんとなく安心した気持ちになりますが、メカニズムを知ることで、日常的に抗菌について関心を持っていただけたらうれしいです。

冒頭でお伝えしたように、抗菌については今の日本では規制が弱く大きな問題となっていないため、わざわざコストをかけて抗菌性を高めようというインセンティブが働きにくい状況です。
しかし長谷川化学工業は、「安全安心を求めて科学する」という基本理念の下、食の安心安全を守るために抗菌性の高さにこだわったまな板を製造しています。
興味を持たれた方は、ぜひ長谷川化学工業のまな板に関する特集ページもご覧ください。

 

長谷川化学工業のまな板

 

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